21世紀アートボーダレス展とは
今日私たちが「アート」という時、それは従来の「美術ないし芸術」の捉え方とは異なるものであることをまず述べておかねばならないと思います。
周知のように、デュシャンの「泉」以降、アクション・ペインティング、ハプニング、パフォーマンス、インスタレーションなど「美術」と「演劇」との境界の消失、またランド・アートなどホワイト・キューブでの展示とは異なるサイト・ディペンディングなアートの方向が生まれました。
従来の「絵画」や「彫刻」といったジャンル分けの境界も曖昧なものとなり、美術は映像表現や音楽との境界も飛び越える時代となりました。表現内容や手法のカテゴライズのみならず、いわゆる「プロ」と「アマ」といった「二項対立」の崩壊から鑑賞者としての大衆が直接製作に関わるなど、様々な「脱構築」が起こっているのが現代のアート・シーンであると思います。
そのような芸術の全体的なボーダレス化という状況をうけ、私たちは「21世紀アートボーダレス展」を開始いたしました。本展は従来のボーダー(境界)にとらわれない展示形式に焦点を当て、ファイン・アートのみならず、デザインや工芸などの表現作品を幅広く取り上げて、ほぼ10年となりました。
しかし本展の主眼は、コンセプチュアルな「現代アート」としての指向性を強く意識した作品群と、テクニックを深める装飾性の強い「工芸」を指向した作品群を単に境界なきものとして羅列し、相対化するのではありません。むしろ両者の根底に共通する「創造性」に着目し、その美の世界を顕彰していくことにあります。
鑑賞者の皆さまにおかれましては、益々多様化する表現の時代にあって、表面的には全く異なる個々の作品の背後にある、創造力と美の普遍性に着目していただき、現代の精神世界の広がりを共に感じ堪能していただければ幸いと存じます。
21世紀アートボーダレス展実行委員会一同
21世紀アートボーダレス展実行委員会について
最高顧問 | 石川 朝子 |
顧 問 | 久保 悟 |
〃 | 久保 万里 |
〃 | 金子 百子 |
〃 | 前田 和子 |
実行委員長 | 黒川 朋子 |
実行副委員長 | 野原 綾乃 |
実行委員 | 今井 榮子 |
〃 | 多賀谷 恒子 |
〃 | 柳橋 由美子 |
〃 | 西 悦子 |
〃 | 谷 祥一 |
総合プロデュース New York Art Co.Ltd.